サラサラアンドシットリ


逆さ箒って知ってます?
箒(ほうき)を逆さまに立てかけて、フサフサの掃くところに姉さんかぶりの様に手拭いを被せて置いておくやつ。



むうぅ、そう見えなくもないですな。

で、逆さ箒を紐解くと、長居するお客さんに早く帰ってほしいという、日本(特に京都など関西)に伝わるおまじないなんだそうな。
ほー、でも私の記憶ではちょと違います。

例えば、ネオン街に彷徨い込んだ波平,マスオ&アナゴ、NM&Aがしこたま酔っ払ってソゾロに帰宅すると、引き戸をジャラジャラと開けたそのトイメンの漆喰に、姉さん被りの箒が立てかけてある。
つまり、舟もサザエもカツヲもワカメも鱈の西京焼きもとっくに寝静まっているのに、うぬ等酒カスどもは、自国内において日付変更線を跨ぐなどという蛮行を行い、ピースアンドクワイエットな我らがメゾンに闖入するとは何事ぞ!
という無言の抗議の象徴として立てかけられている。
というのが、色んな場面に登場した逆さ箒だと記憶しているのですが、どなんでしょね?

で、冒頭の写真は何をしていたかというと、我がLe Farafalle nella Notte(Gibson MidnightSpecial)のネック裏塗装の補修です。

一度ネックの塗装を全部剥がして、漂白、リフレット、ロゴも作成、というのはこちらの過去記事に書いたとおりなのですが、ネック裏に関しては、ヴィンテイジテイストに囚われすぎて、結果やっつけ=色んなことが足りていない仕上がりで、いつのまにか手垢が染み込み真っ黒になってしまったという惨状でございました。

んじゃちゃんとすっか。
材はメイプルですから、目止めとサンディングシーラーと上塗りのラッカーを揃えましょと。
して上塗りは、手触りサラサラのアレがいいですね。
結構な安ギターでも行われてるサラサラ触感は、まぁポリエステルのつや消し系塗料を使用していると思われますが、ここはひとつニトロセルロースラッカーで行きたいもんですが、手に入るんでしょか?

おっとそうだ!昭和の光景フラッシュバックで始まった今回ですが、ここは今時、ひとつAIちゃんに訊いてみようじゃないの‼︎

で、amazonと取っ替え引っ替え見てみて揃ったのがこちらの3アイテム。


左と真ん中は長年の知己でありますが、右はお初にお目に掛かりやす。
「フラット全消」とあるのは、「フラット」はもちろんつや消しの意で、このシリーズでは7分消しや2分消しなど、そのつや消しの度合いの種類が選べるんだとか。

そこで、サラサラ食感を求めるなら「全消」が良いよとAIくんが教えてくれました。
しかも塗装のコツ、つまり基本ラッカーは重ね塗りですから、何分間隔を開けた方がいいよとか、サンディングは水を使わずに空研ぎがよいとか、仕上げはこうした方が良いぞよとか、ポイントを押さえたアドヴァイスをくれるので助かりました。
といっても別にAIが塗料屋の息子だったとかそういうわけでもなく、数多のネット上に発信された経験則や実例譚をかき集めて提示しているだけで、その発信されたコンテンツは、人間様が培ってきた職人技=つまり素晴らしい仕上がりにしたいという情熱のなせる技がありがたくも共有されている、別に一子相伝で秘匿していても良いことを、後世に残すべく人様が書き記してくれたお陰なのですな。
AIは集めてきただけで、経験はしていませんからね。

ホームセンターの棚でじっとスプレーを見比べて、これでいいのかな?実際吹いてみて、ありゃ、白くなっちゃったよとか垂れてきちゃったじゃんとか、乾燥時間が待てずに削ぎすぎちゃって地が出ちゃったとかを、18の頃から経験してきたのが人間1個のパーソネルなのであります。

そこでDJ目線やネット時代で情報がフラットに手に入るようになり、今やAIで整理ができる世になりつつあるのですから、使わない手はありませんね。もっとも、出元の情熱の濃さが薄く、嘘になったりと、まだヒドイもんではありますが。

して、今回の3羽ガラスはご覧の通り、全てヴィンテイジ同様ニトロセルロースラッカー。
耐久性はポリ塗装には勝てませんが、塗膜の薄さとやれた味わいもまた良しとなるよう、頑張ってやりましょ。


やりました!
このギター、ヴィンテイジレスポール同様、ヘッドに結構な角度がついてるんですな。
噂によると、ナッシュビルへの移行期にあった時期において、カラマズーで生産されていたとかでそのせいなんでしょうか。なんて思ったりして。

ヘッド裏は逆さ箒お写真でお分かりのとおり単にマスキングしただけで、塗装はそのまま。
ヴォリュートのところからネック裏の塗装を全部剥がして行いました。

よく見ると若干トラってる部分もありますね。
そしてしっかりサラサラの触感に仕上がってます。
つや消しの塗料は、そのつや消しの成分であるごく細かい粒々が溶剤が乾くにつれ表面に出てくるのだから最低3日から、我慢の効く大人だったら1週間は放置しろとAIが言ってましたが、ナマ言ってんじゃねぇよ!と、いつまで経っても子供の私は3日でペーパー掛けして仕上げました。

いや〜でもイイですよ。
サラサラながらもどこかしっとりしているというか、無機質な感じがしません。
ざーとらしいサラサラ感ではありません。

先ほどの写真ですが、このヴォリュートからのナット付近をさわさわするのが大変気持ちイイですね。
先日惜しくもお亡くなりになった、日本3大美人の一人、岸惠子さんもうなじの美しい方でしたが、そんなことをふと思ってしまうしっとりとした手触りです。

サイドもバッチリコンですねー。
ネック裏から指板サイドまでが今回のリフィニッシュです。


ギタースタンドにメイプルネック3羽ガラス。
左からLe Farafalle nella Notte(Gibson MidnightSpecial)、74年ストラトネックで組み上げたTHINLINE、1967年テリー。
なんかいい佇まいですね。
真ん中のTHIN LINEは、ここ最近になって鳴りが格段に向上してきてビックリ!
弾き続けることで鳴りのバランスが揃ってきたのでしょうか。

ネックは70年代のものですが、組み上げたのは今年になってからですね。
まだ1歳にもなっていない。
整ってきても何ら不思議もないのかもしれませんね。






ひさびさにご紹介したこのギターですが、自分で言うのも何ですが良いですなー。
アルミ板+モルフォの羽+アクリル板で約4mmの厚さでパーツ群島が盛り上がっているこのデザイン。
やってるうちに出来上がったものですが、それに合わせてボディの角を落として(ベベルカットとか言うんでしたっけ?)いるところも何ともニクイじゃないですか。
アクリルのねじ止め部が欠けたり、ボディにも傷が増えたりしてますが、その美しき存在感はひときわ目を惹きます。

でこの度ネックも整ったところで、あと何かないかと思い、先日手に入れたヴィンテイジマイカコンデンサーを付けてみることに。




高熱どんぶりならぬ、コーネルダビリャー。

THINLINE作成の時に手に入れたこれ等からチョイスしてみました。
チョコレートか墓石プレートかといった佇まいと、きっと取り付け用なんだろなと思われる2つの穴でねじ止めしてみましたというわけ。

それまでに付いていたバンブルビーに比べ、VOLUMEを絞った時の低音域の減衰が僅かであったので良いかなと思ったのですが、反対にトーンを効かせようとノブを絞っても実に妙な具合に変化してしまうので、も少し工夫が必要ですかな。

ジャックやポットのケーブルもWesternElectricのブラックエナメルにしてみようかしら。

ではまた。


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